はじめに
格安SIMに切り替えたいけれど, やり方が難しそう…と躊躇っている方はいないでしょうか. 実際に多くの場合, 格安SIMに切り替える作業は自分自身でやらなければならないことが多いです. しかしながら, 想像しているよりも案外簡単だったりします.
本記事では, 格安SIMへの切り替えに悩んでいる方へ, 実際の切り替え方法について簡単に解説していきます.
格安SIMに乗り換えるための準備
格安SIMへの切り替えるためのフローチャートを以下に示しました. 今回は, 手持ちのスマホをそのまま使う前提で解説を進めます.
SIMロックがかかっているか?
格安SIMに切り替えるためにまず確認する必要があるのが, SIMロックの有無です. 2021年10月1日以降に販売されたスマホはSIMロックが原則禁止になったため, それ以降に購入したスマホについては気にする必要はありません. 以下の手順で確認/解除することができます.
<iPhoneの場合>
(1) 「設定」アプリを開く
(2) 設定画面にある「一般」の項目をタップする
(3) 一般画面にある「情報」をタップする
(4) 「SIMロック」の項目を確認する (「SIMロックなし」と表示があればOK)
<Androidの場合>
(1) 「設定」アプリを開く
(2) 設定画面にある「端末情報」の項目をタップする
(3) 端末情報から「SIMカードの状態」をタップする
(4) 「ステータス」を確認する (「許可」と表示があればOK)
SIMロックがかかっていた場合, 以下の手順で変更します.
<auの場合>
(1) ホーム画面より、「My auアプリ」をタップ
(2) 「今月のご利用額目安」下の「もっとみる」をタップ
(3) 「ご利用機種情報」下の「SIMロック解除のお手続き」をタップ
(4) 手続き完了
スマホがMVNOで利用できるか?
スマホの端末には, 対応している通信方式や周波数があります. docomoであればdocomo回線, auであればau回線, SoftbankであればSoftbank回線といったように, 各MNOの回線ごとに通信方式や周波数が異なるのです. したがって, 契約したいMVNOがどのMNOの回線を利用しているか調べる必要があります. ただし, auを利用していたスマホを使いたい場合, au系のMVNOを利用することでこのようなトラブルを防ぐことができます. 一般的に, au系はタイプA, docomo系はタイプD, Softbank系はタイプSと呼ばれることが多いです. 契約するMVNOのWebサイトを確認しましょう. MNOやMVNOについては以下の記事で詳しく解説しています.
MVNOの契約
気になるMVNOがある場合は, その会社のHPから契約を進めます. その際, MNP予約番号が必ず必要となります (※電話番号をそのまま利用したい場合). MNP予約番号を取得するには, まず現在契約しているキャリアで申請を行いましょう. 大手キャリアであれば専用電話窓口やアプリ (「My au」や「My docomo」, 「My Softbank」)から行えます. 必要なものは以下に示します.
- 本人確認書類 (運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 支払い用の契約者名義のクレジットカード
- キャリアメール以外のメールアドレス
- インターネット接続環境
特に, キャリアメールを普段使用している方 (…ezweb.ne.jpなど) は, MVNOへの切り替えによってメールアドレスが使えなくなってしまうため, Gmailなどのメールアドレスを用意しておくことを推奨します.
SIMカードの挿入
最後のステップです. 契約が完了すると本人確認書類に記載された住所宛てにSIMカードが送られてきます. そちらをスマホに挿入し, 開通手続きを行いましょう. 必要な手続きは説明書に記載されていますので, その通り実施すれば問題ないはずです. 一番の難関はAPN設定ですが, 以下の手順で設定することができます.
<iPhoneの場合>
(1) 「設定」アプリを開く
(2) 設定画面にある「モバイル通信」の項目をタップする
(3) 「モバイルデータ通信ネットワーク」をタップする
(4) 「モバイルデータ通信ネットワーク」をタップする
(5) 契約したMVNO名を選択する
<Androidの場合>
(1) 「設定」アプリを開く
(2) 設定画面にある「ネットワークとインターネット」の項目をタップする
(3) 「SIM」をタップする
(4) 「アクセスポイント名」をタップする
(5) 契約したMVNO名を選択する
よくある質問
Q. 利用中のキャリアを解約するタイミングはいつがいい?
A. 基本的にいつでもOK. 大手キャリアとの契約は, 従来は「2年定期契約」が基本でしたが, docomo, au, Softbankはこの解約金をすでに撤廃し, いつでも無料で解約できるようになりました.
Q. MNP予約番号を取得すればいつでも手続きできる?
A. 有効期限があるので注意が必要です. MNPワンストップの場合, MNP予約番号は不要です. MNP予約番号を用いたお手続きの場合, MNP予約番号の有効期限は発行から15日間です. それを過ぎると無効になるため, 再度取得する必要があります. 予約番号の取得は事前に準備を済ませ, 時間的に余裕のあるときにするといいでしょう.
Q. 乗り換えのタイミングで、電話やインターネットができなくなる期間はある?
A. ほぼありません. 乗り換え先の格安SIM事業者で申し込みを行うと, SIMカードが手元に送られてきます. それまでは元のキャリアのSIMカードが使え電話もインターネットも使えます. そして格安SIM事業者のSIMカードが手元に届き, 電話やWebサイトから「開通手続き」を行うと, 元のキャリアのSIMカードは使えなくなり新しいSIMカードが有効になります. このとき, 引き継ぎ処理のために一時的に不通になりますが, せいぜい10~30分ほどです.
Q. 乗り換え先の格安SIM事業者からSIMカードが届いたあと手続きはすぐに必要?
A. 受け取ったらすぐに開通手続きしてください. SIMカードが届いたあとMNP有効期限が過ぎると自動的に開通手続きが行なわれてしまいます.
Q. 乗り換え後, キャリアの解約手続きはどうする?
A. 自動で解約されるため, 特に手続きは必要ありません. キャリアなど他社から乗り換えると, 乗り換え先の格安SIMの回線が開通した時点で, 元のキャリアとの契約は自動的に解除されます. そのため, 自分から元キャリアで手続きを行わなくても解約されていることになります. なお, 契約が解除されると「My au」,「My docomo」,「My Softbank」などのキャリアのマイページに電話番号でのログインができなくなるため注意しましょう.
Q. 大手キャリアでスマホ本体を分割払いで購入している場合は?
A. 本体の残金については従来通り払い続けることになります. ただし, 割引サービスが適用されていた場合には, その割引がなくなり, 支払額が増えることになります. 事前に現在の契約状況を確認しておくといいでしょう.
さいごに
今回は, 格安SIMへの実際の切り替え方法について解説しました. 筆者的に, 以前より格安SIMへの乗り換えのハードルは下がったと感じます. 月々の通信費にお困りの方は, ぜひ格安SIMの乗り換えを検討してみてください.