【実録シミュレーション】35歳エンジニアが月5万円を5年間運用したら何が起きたか?

はじめに

年収700万円・独身・都内在住の35歳ソフトウェアエンジニア「Kさん」のモデルケースを元に、iDeCo・NISA・インデックス投資の3本柱で実際に何が起きるかを徹底シミュレーション。数字で見えてくる「始める意味」と「落とし穴」を解説します。

※投資には元本割れリスクがあり、将来の運用成果を保証するものではありません。具体的な投資判断はご自身でご確認ください。

モデルケース「Kさん」のプロフィール

このシミュレーションで使用するモデルは、テック企業勤務の35歳エンジニア「Kさん」です。

  • 年齢:35歳(独身・都内在住)
  • 職業:ソフトウェアエンジニア(テック企業勤務)
  • 年収:700万円 / 手取り月収 約45万円
  • 月の投資余力:5万円
  • 投資経験:ほぼゼロ(預金のみ)
  • 開始時の貯蓄:200万円
  • シミュレーション期間:5年間

手取り45万円から生活費・家賃・貯金を除いた「無理なく投資に回せる現実的な金額」として月5万円を設定しました。月3〜5万円は、エンジニアの収入帯で最もよく聞かれる投資余力の範囲です。

採用した3本柱戦略

Kさんが選んだのは「税制優遇をフルに使い、低コストインデックスで長期保有する」というシンプルな戦略です。複雑なトレードは一切していません。

Pillar 01:iDeCo(月2万3,000円)

掛金が全額所得控除になるため、運用益を一切出さなくても「節税」という確定リターンが発生します。全世界株式インデックスファンドで運用し、老後資金として完全に切り離して管理しました。

Pillar 02:つみたてNISA → 新NISA(月2万円)

運用益・配当が非課税になる制度。S&P500連動ETFを中心に積立を継続。2024年からの新NISA移行後は非課税枠を段階的に拡大しました。

Pillar 03:特定口座(月7,000円)

「いざという時に使えるお金」として流動性を確保するための枠。国内REITを混在させ、分散効果も狙いました。

Kさんはこの戦略を「コードと同じ。最初に設計を固めて、あとは自動化する」と表現しました。毎月の積立は全て自動引落で設定し、積立後に相場を確認することもほぼなかったといいます。

5年間の推移シミュレーション(年率5%想定)

以下は、想定利回り年率5%(全世界株式インデックスの過去平均に近い値)で計算した場合の推移です。実際の市場はより変動しますが、長期シミュレーションの基準値として使用しています。

経過年数累計投資額評価額含み益節税効果累計
1年目60万円61.8万円+1.8万円+5.5万円
2年目120万円126.8万円+6.8万円+11.0万円
3年目180万円195.2万円+15.2万円+16.6万円
4年目240万円267.3万円+27.3万円+22.1万円
5年目300万円343.1万円+43.1万円+27.6万円

5年後の結果:実質リターンは+70万円超

評価額の含み益(+43.1万円)に、iDeCoによる節税効果の累計(+27.6万円)を合算した実質リターンは約70.7万円。投資総額300万円に対し、約23.6%のプラスという結果になりました。

途中、こんな危機もあった

シミュレーション期間中には世界的な利上げショックで評価額が一時▲18%まで落ち込む場面も想定されます。それでも「何もしない・積立を止めない」を貫いた結果、翌年には完全に回復・超過しています。これは実際の市場でも類似した動きが過去に観測されています。

iDeCoの節税効果が意外に大きかった

Kさんの年収帯(700万円)では、iDeCoの掛金2万3,000円/月が全額所得控除になります。年間で約5.5万円の所得税・住民税が還付される計算です。5年間の合計は約27.6万円。これは「運用しなくても確定でもらえるリターン」であり、投資初心者にとって最も手堅い出発点です。

「正直、最初の2年間は増えてる感覚がなかった。でも3年目から複利が見え始めて、5年後に数字を見たとき『あ、放置してて良かった』と思った。エンジニアのバックグラウンドがあれば、仕組みを理解するのに時間はかからない。」(Kさん)

エンジニアが資産形成で学んだ4つのこと

  1. 「自動化」こそ最強の投資戦略:毎月の判断をなくすことで、感情的な売買を防ぎ、長期複利の恩恵を最大化できる。
  2. 節税は「確定リターン」:iDeCoの所得控除は相場に関係なく確定で得られるリターン。特に年収600万円超で効果が大きい。
  3. 暴落は「セール」だと知る:定額積立なら暴落時に多くの口数を買える。長期で見れば暴落は平均取得単価を下げる機会。
  4. 「早く始めること」だけが正義:月5万円でも10年放置すれば複利の力は強力。30代の今が最もコスパの高いタイミング。

次のステップ:10年シナリオへ

このまま同じ戦略を続けた場合、10年後の評価額は約862万円(投資総額600万円・年率5%想定)。節税効果を含む実質リターンは約310万円超に達する計算です。

10年スパンになると複利効果が本格化し、後半5年間の「雪だるま式の増加」は前半5年間と比べて明らかに加速します。これが「早く始める意味」の本質です。

次回は「年収1,000万円エンジニアの場合、戦略はどう変わるか?」をシミュレーション。iDeCoの節税効果が倍増する仕組みと、新NISAの1,800万円枠の使い方を解説します。

まとめ

本記事では、35歳エンジニアのモデルケースを通じて「月5万円・5年間」の資産形成シミュレーションを解説しました。

  • iDeCo・新NISA・特定口座の3本柱で月5万円を自動積立
  • 5年間の実質リターンは約70.7万円(含み益+節税効果)
  • 暴落時も「何もしない」が最適解だった
  • 10年継続で評価額は862万円規模に成長する試算

資産形成に「完璧なタイミング」はありません。エンジニアが得意とする「設計して自動化する」という発想をそのまま資産形成に転用することが、最も再現性の高いアプローチです。

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